東京にやってきて早数日。一昨日、韓国映画『お料理帖〜息子に残す記憶のレシピ〜』の試写会が行われ、暮らしの手帖の元副編集長の二井康雄さんと共にトークイベントに出演させていただきました。
二井さんとは12年ぶり?くらいに久しぶりにお会いして、それはもうつのる話はたくさんあるけれども、映画の話に集中して脱線しないように(私が)、二井さんにきっちり仕切っていただいたおかげで何とか良いトークショーになったのでは?と思っております。
二井さんは一番最初にこの映画を見た時に、パッと私の顔が浮かんだとおっしゃって、出演依頼のメールを下さったわけですが、いやいや、LAに住んでますから無理でしょう…とご返信差し上げたあとで映画情報を見て、あ、これは私、行かなきゃいけない映画じゃないの!?と思ったのもあり、実は同時期に新作鍋スープの展示会も東京ビッグサイトであったりで、タイミングが合ったわけです。
私自身も「子供に遺そう」と思って10冊目のスープレシピ本を作ったこともあり、何だか人ごとじゃなかったんですね。私はまだ認知症の症状はありませんが。(いや、あるかも!?)
このフライヤー表面のコピーが面白くて、
愛情ひと匙、
小言は大匙。
と書いてあります。わかるー。
言葉や態度での愛情表現が上手くないお母さんですが、家族や周囲の人たちの健康を思って作るごはん、お惣菜に込めた見えない愛情は、ひと匙どころかてんこ盛りなわけで、そんなレシピを綴ったノートを息子が初めて見たシーンがいちばん泣けました。
当日トークショー前に泣かないようにと、2回も観てから行ったのに、3回目もやっぱりダメでした。
それにしても、映画に出てくる韓国料理の美味しそうなこと!そして美しいこと!
私もLAで韓国人の友人とよくコリアンレストランに行きますが、他国の料理とはいえ、やっぱりお隣ですから日本人の口に合うんですね。本当に美味しいです。
いちばん上の写真、実は映画のパンフレット中に6ページにも渡って紹介してある劇中料理のレシピです。これ、すごい嬉しい特典です。普段韓国料理のレシピってなかなか見れませんから。
トークショーの最後にも少しお話しさせていただいたのですが、このレシピ集にも”煮干しだし”がたくさん出てきます。そうなんです、韓国料理のスープ系のだしには煮干しがよく使われるのです。
上の写真にもある”ククス”というのは”麺”のことで(左下のグクスもそうですね。欅坂がけやきさかではなく、けやきざか、になるのと同じこと)、”カル”というのは包丁のこと、だから”カルグクス”は”包丁で切った麺”という意味だそう。(韓国人の友人に教えてもらいました。)
ま、うどんみたいなもんですが、このスープのダシも、煮干し、昆布、干し海老、となっています。
これ、ぜひ試してみていただきたい。絶対美味しいスープができます。
ということで、私らしく脱線しましたが、とにかくやさしくて、美味しそうで、家庭料理の素晴らしさを再確認できる映画です。ぜひご覧になってください。
9月13日より全国順次公開になりますが、東京は渋谷と吉祥寺で上映されます。