こりゃまたエライタイトルをつけてしまいましたが、日本海新聞に掲載したニューイングランド•クラムチャウダーの実際の作り方を、手順写真と共に詳しくお伝えしております。昆布だしを使っている以外は、”これがアメリカ人の作り方”でございます。理由もあるんですけどね。はい、では続きをどうぞ。
さて間違い探し。新聞のレシピには”あさり”と書きましたが、ここでは”クラム”。そーなんです、これが実際の東海岸ボストンのクラムです。
写真のクラムは大小2種類ありますが、右の小さい方で日本で入手できるハマグリのサイズ。左の大きい方は殻の直径が10cmくらいあります。巨大です。この巨大さがのちのち大問題。では続きます。
日本でレシピを書くときは”あさりを大さじ2杯の白ワインで蒸して”などと書きますが、ボストンのこのでっかいクラムは、開く前に大さじ2杯の白ワインなど一瞬で蒸発しますから、真実は ”茹でます” です。ガンガン茹でないと貝が開きません。
アメリカ人はもちろん昆布だしなんか使いませんが、日本人のワタクシとしては昆布を使った方が絶対おいしいと思うので、ここはオリジナル。もちろん水でもOKです。
私は子供の頃に「生きた貝をいきなり沸騰したお湯に入れると、貝がびっくりして開かない」と習ったので、いまだに水から加熱しますが、こちらの方々はお構いなしで沸騰したお湯にぶち込みます。でも開くんですけどね貝。おかしーな〜!?
日本のレシピにはよく”あさりを砂出しして”と書いてあったり、そもそもスーパーマーケットで売っているあさりは砂出し済みだったりして、大変便利な日本!なんですが、アメリカでは砂出ししてから売ってくれるような店もありませんし、家で丁寧に砂出ししてから料理するアメリカ人もほぼいません。
なので、このクラムの茹で汁を濾すのは主に”砂を取るため”の作業です。でもクラムの砂出しは雑味を取るために必要なのでやったほうがいいし、この濾す作業も貝殻のカケラやアクも取れるのでやったほうが良いと思います。
アメリカでクラムチャウダーを食べると、中のクラムがチャンク(粗いみじん切り)のものがよくあるのはこれが理由です。クラムが大きすぎるのでこのまま入れても固いだけ、になるのでカットします。あと、砂の溜まった部分をバッサリ取って捨ててしまったりするので、アメリカのクラムチャウダーのクラムの形がいびつなのはそのせいです。
はい、これで出来上がり!
材料も写真もいっぱいなので面倒に思われるかもしれませんが、やってみるとそうでもありません。自分で作ったクラムチャウダーって、ほんと、びっくりするくらいおいしいのでぜひお試しください。
日本だともちろんあさりでOK! たっぷり使ってください。砂出しまでして売ってくれる日本の水産加工業者の方々に感謝感謝ですね。
さて、11月に入ってLAも朝晩寒くなってきました。スープの季節本番です。