ファイティング・シェフ
2008年 スペイン
監督:ホセ・ルイス・ロペス・リナレス
2年に1度開催される、フランス料理のオリンピック”ボキューズ・ドール”。世界中の予選を勝ち抜いた各国の若手シェフが、世界一を目指して競う「美食オリンピック」のドキュメンタリー映画です。
かつて「料理の鉄人」、「愛のエプロン」などの料理対決番組が大人気だったり、今もなおミシュランガイドの格付け合戦は年々ヒートアップ。”料理は文化か、闘いか”というキャッチコピーがありましたが、闘いかも…と思わせるような映画でした。
カメラが追うのはスペイン、マドリードのシェフ、ヘスース。何ヶ月にも及ぶ試作に対し、国をあげての大応援団が、あーでもないこーでもないと好き勝手な評価を下して、へスース可哀想なことこの上なし。でも05年大会優勝者のフランス人シェフ、セルジュ・ヴィエラからこんなアドバイスをもらいます。
「まずは料理の前に考えることだ。何をするか、何を伝えるか。”ボキューズ・ドール”はフランス料理を求めているわけではない。スペインの素材で君独自の料理を作るんだ。」
感動〜。
ここからはヘスース、一気にアイディアが浮かんだようで頑張りました。大会の様子はテンポよく、本当に美しい料理の連写です。日本人シェフ(大会6位。アイデンティティ賞も受賞)のお皿も映し出されます。そしてスペインは…。残念ながら9位。でも国としては過去最高順位です。
さて、ラスト。実家に戻ったヘスースは、お母さんが作るパエリアの手伝いをしています。今までの彼の顔とは全然違って、穏やかで、楽しそうで、嬉しそう。やっぱり料理は文化、”料理の原点はお家から”と思うのです。
スペインの郷土料理パエリアを、たっぷりのスープで失敗なしのリゾットにアレンジしてみました。お家ごとのオリジナル食材でお試しくださいね。
【魚介のパエリア風リゾット】
●材料(2人分)
米…1/2カップ
水…500cc
鶏胸肉…50g
アサリ…10個
エビ…6尾
玉ねぎ…1/4個
トマト…1個
ピーマン…1/2個
赤ピーマン…1/2個
にんにく1/2片
オリーブオイル…小さじ1
ローリエ…1枚
サフラン…少々
粉パプリカ…少々
塩、こしょう…少々
●作り方
1:鍋に水を入れ、アサリとエビを入れて強火にかけ、沸騰したら火を止めて具だけ取り出す。少し冷めたらアサリの殻とエビの皮をむいて、身は残して殻と皮を鍋に戻し、ローリエを入れ、ふたをして弱火にかける。(だしを取る)
2:玉ねぎ、にんにくはみじん切り、トマト、ピーマン類は1cm角に切る。鶏肉は2cm角に切る。
3:別鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で炒め、香りが立ってきたら玉ねぎ、鶏肉、米(洗わず)の順に入れて炒め、米が透き通ってきたらトマトを加えてさらに炒める。
4:トマトから水分が出てきて、全体がもったりしてきたら、1のスープを取っ手のついたザルなどで濾しながら加え、ふたをして中火で10分煮る。
5:弱火にしてさらに10分煮る。火を止める少し前にピーマン類とアサリ、エビを鍋に入れて混ぜ合わせ、塩、こしょう、パプリカで味を調える。
※レモンをたっぷり絞って食べてもおいしい!